サイコパス 地下戦慄
ネタバレなし感想
「The OC」シリーズのミーシャ・バートン主演!偶然居合わせた倉庫内で、暗闇に潜む"何か"に親友を殺された女性。逃げ場も出口も見失った状況下で、不条理な恐怖が迫り来る!犠牲者が続出するこの倉庫内には、一体何が隠され何が潜んでいたのか―!?絶体絶命のサスペンス・スリラー!!
巨大な貸倉庫施設の中で怪物に追い回されたりする感じの激安B級映画。
ずっと倉庫内(個別の倉庫ドアが並ぶ廊下)をウロウロする映画で「制作費を節約してるな~」という感じ。この手の制作費節約としてはCUBEなんかが似たような事をしているけど、CUBEが部屋の模様や色で工夫していたのに対して本作はずっと同じ倉庫風景なので、あんまり上手くない。終盤には地下道の様な雰囲気が良い場所も出てくるけど一瞬で終わる。
無駄なシーンが少なくて、サクサク人が死んだり襲われたりと展開が速い。映像的にも低予算にしてはよく出来ていて視聴しやすい。
ラストはちょっと意外な展開を見せつつも、一応の背景を説明して色々回収。なんとなく納得の終わり方。
B級ホラーにしてはよく出来ているので、ホラー好きなら観て欲しい。ゴアシーンとかもそこそこあるし、独特のグロ表現もあって良い。
ネタバレあり感想
原題は「The Hoarder」で、Hoarderは「溜め込むモノ」というような意味で、倉庫に物を溜め込んでいる人々と、真犯人である倉庫管理員の両方を指しているのかな。
邦題の「サイコパス」では真犯人がどういうタイプなのか想像できてしまうため、ネタバレクソ邦題に近いものの、序盤で結末を予測できる人は居ないと思われるのでギリギリセーフかな。
途中までは「怪物が何の脈絡もない感じだし、ちゃんと説明されるのかな…」と思っていたけど、まさか管理員が犯人(?)だったとは結構驚き。死んだように見せかける表現も上手く機能していた。「怪物なのに殺し方が人間っぽすぎるな?」と思っていたけど、伏線とは見事。
登場人物の行動はバカっぽいようでパニックホラーとしては割りとマシな感じもするし微妙。個々のキャラがあんまり掘り下げられてない感じがして、割りとあっさり死ぬもんだからその辺りは下手だなと思った。
ゴアシーンはボチボチという感じだけど、ホッチキスで口を留めてしまうというところが独特のグロ表現で良かった。しかもそれが序盤では「相手はモンスター」と思わせるトリックになっている所が上手い。
口元をアップで写してるシーンも多くて、特殊メイク頑張ったんだろうなと思った。。
犯人の動機みたいな部分に触れられてないのが残念。ジェフリー(怪物)は何で人を殺しまくってたのか謎だし、ステファン(倉庫管理員)が何であんな事をしていたのかも謎。まぁステファンについてはそういう趣味のキチガイだった、という事で済ますにしても、アレだけの施設を作ってバレずにずっとやってこれてる辺りはちょっと不自然すぎるかもしれない。