映画ノ壺

プラネット・オブ・ロボット

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不時着した惑星に生息していたのは、過酷な生存競争で自動進化をとげた、あらゆる種類の戦闘ロボットだけだった。これらのマシンを生み出した者たちはどこへ消えたのか?

極低予算の地味なイギリス製SF映画。

おっさんが荒廃した世界をウロウロするだけなんで地味な映画だけど、作りはそう悪くない。

映画冒頭にある設定説明が比較的重要なので書いておくと

とまぁこういった事らしい。この点、理解して観る必要がある。

お話は地味で淡々とした雰囲気だけど、それなりに細かく進展があるので自分は飽きずに観られた。ハヤカワのSF小説みたいな感じ。

ストーリーやエンディングについては、賛否が分かれる所だと思う。極低予算の映画だし、SFドラマの1話くらいのつもりで観れば満足できるんじゃないだろうか。

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ネタバレあり感想

原題は「Reconnoiter / Robot World」なので、プラネット~と猿の惑星風にした邦題はあまり良くないというか、誤解を広げてると思う。Reconnoiter は偵察機という意味。

1時間以上、おっさんが一人でウロウロするだけの映画にしてはよくできていると思う。

中頃で主人公がジャックダニエルズの瓶を見つけて「異星の文字が刻まれており」と言っていて、更に鼻の形が変になる。メカドッグの頭にイギリス国旗が書いてあって、ここが地球で主人公が異星人らしいという事が分かる。不時着後の風景で「いくら何でも地球すぎるでしょ~」と思ってたけど、地球だった。

ただ、冒頭の宇宙船で普通に英語が表示されてた辺り手抜かりという他ない。アイコンだけにしておけばよかったのに。コレのせいで主人公が英語が読めないのか、ジャックダニエルズの瓶だけ分からなかったのかが解釈しづらくなってる。

その後主人公が民家でビデオを観て新聞記事から「人類は地下に潜った」という事を知るシーンが有るけど、英語は読めないはずなので新聞の挿絵で判断してるんだと思う。挿絵がクローズアップで映されてるし、わざわざビデオテープ出すのはそういう事と思われる。

地下シェルター内では化学兵器で人間は全員死亡していて、通信で装置IIが予定より早く着いていた事がわかる。太陽軌道を5周…つまり5年前に装置IIは地球に到達していた。壁に貼られた紙類から、装置IIによって人類が混乱しWW3が始まったらしい事がわかる。我々にはわかるんだけど、英語の読めない主人公は写真とかから何となく察した程度だと解釈。

ラストでは装置IIが大気圏に突入してしまっているらしきシーンで主人公が絶望してしまう。60年かけて送り込まれたという事だから、仮に再度送り込むにしてもかなり時間がかかるので、助けは絶望的…という事だろうか。何で大気圏に突入したのかは不明。

結局、ファーストコンタクト失敗モノみたいなお話だったのかな。スタートレックとかで何度か見たような筋書きで、何かしら悪意のない目的で探査機とか送り込んだら現地民に取り返しのつかない影響を与えてしまった…という。何でこの惑星の人々は殺し合いをしたんだ!→俺達のせいだたっぽい… というのがまぁオチ。

やはり、ドラマ1話30分くらいの尺がちょうど良さそうなお話と作りであった。


Street Kings

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「L.A.コンフィデンシャル」以来の衝撃、キアヌが挑むクライム・アクション最期に頼れるのは、魂か。弾丸か。

キアヌ・リーブス主演の警察映画。アクション映画。

ほいほい犯人を殺すアル中凄腕刑事の主人公が、かつての同僚を殺した犯人を追っていくというお話。

やっぱアメリカの警察は腐ってるな、という描写の多い内容。テンポよく進み話も面白い。ガンアクションも盛りだくさんで満足。

悪徳警官モノが好きな人、キアヌ・リーブスが好きでマトモな映画観たい人には特におすすめ。

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原題は「Street Kings」で邦題が「フェイク シティ ある男のルール」。Amazonビデオでは原題になっている。Kings と複数形になっている所がミソだろう。作中でワンダーが自分の事を「King」と称していたので、Kingの一人は彼だろう。

話の構造は別にそう特異でもなくて、コンビニ強盗の時点で真犯人はだいたい分かると思う。まぁフォレスト・ウィテカーという配役でも分かってしまうが……

最後は死んで終わりそうだなと思っていたら、以外にも無事だった上に隠蔽はワンダーだけの得意技ではなく、警察組織全体のものだったという感じで後味の悪い終わり方。

単純に汚職していたワンダーが悪いとか、アル中殺人刑事の主人公が悪いとか、そういう事ではないし、警察組織の隠蔽みたいなのも単純に悪いとは言えない。じゃあ何が悪いのか……という映画でした。


クロッシング

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『イコライザー』のアントワン・フークワ監督、『プリデスティネーション』のイーサン・ホーク主演の刑事サスペンス!定年目前のベテラン警官、貧困に苦しむ麻薬捜査官、仕事に息づまる潜入捜査官。全く接点の無かった3人が、ある殺人事件をきっかけに奇妙で危険な繋がりを見せ始める。

3人の警察官が善悪の縁をウロウロしながら仕事をして、その運命が交わる……という感じの警察映画。

3本のオムニバス映画に近くて「話が交わる」という感じではない。警察官のお話が独立していて、それぞれ面白い。リアルな警察官生活が描かれていて、アメリカの警察が抱える問題みたいなのが見えてくる。

全体として盛り上がりに欠け、淡々と進んでいく印象なので派手な警察物を期待していると面白くないかも。勧善懲悪でもなく後味もあまり良い映画じゃない。人物描写に優れた映画。

これと言って際立った見どころがないけど、アメリカの警察物が好きな人なら要チェック作品。

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原題は「Brooklyn's Finest」で、意味は「ブルックリンの警官(達)」。邦題は三人のお話が交差するという意味だろう。でもそんなに交差しないよね?クソ邦題だと思う。

警察官が三者三様で、なおかつリアルなダメさを抱えていて良かった。サルは…本当にダメな奴だし警察やめて他の仕事にした方が良いと思うけど、悪い奴ではなく同情してしまう。アメリカは特にお金がないと厳しい国だし。

エディ(リチャード・ギア)は本当に残念な人物で、同情というより見ているだけで哀しみに包まれる。


ロード・オブ・ウォー

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ニコラス・ケイジ主演の、実在の武器商人をモデルとした伝記風映画。世界中に武器を売りさばき、戦争を金に買えてきた男の生きざま、苦悩を描く。

映像、音楽、演技どれをとっても良い。

予告の雰囲気と全然違う感じがするのと、日本版の予告はBGMが酷すぎるので、予告編はあんまアテにしない方が良い(あるいは、英語版のトレイラーを見る)。

それより映画冒頭の映像がとても良いので、コレだけでも観て欲しい。

結構しっとりした感じの社会派映画。武器商人らしいラストで、見終わると武器とか戦争の事を色々考えされられる。

違法な武器商人として、上手いこと検問を突破したり、途上国の偉い人と交渉したり。武器商人としての人生描写が面白すぎて引き込まれる。

主人公は「売れるものを売る、俺は武器を売る才能があるから武器を売る」という感じで、ドライな感じな所が面白い。

ニコラス・ケイジに髪の毛がある!

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オープニングの「弾丸の生産」があまりによく出来ていたので、そこだけ観ても満足。

タイトルの「Load of War」は「戦争の支配者」という事だから、まぁ武器商人の事だよね。

ラストで「アメリカ政府も買っていた」という事が分かるけど、これは「やっぱアメリカ政府は悪」みたいな事ではなく「アメリカ政府"も"買っていた」という感じで、世界の戦争事情の一つだと受け取った。映画の内容や流れ的にそういう感じなのでは。

日本のトレイラームービーではアメリカ国歌を流していたけど、映画の主題はそういう事じゃないでしょ と思った。BGMは英語版のトレイラーの方が良い。

最初は邦題を「アメリカン・ビジネス」にしようとしていて、監督から「アメリカ批判の映画ではない」とクレームが付いて流れたらしい。クソ邦題案件ギリギリ回避。配給会社は映画を観てから邦題つけろよ。観た上でわざとやってるなら最低。