ストーム・インパクト
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理科教師のジョーは、気象研究のスペシャリスト。ある日、街に巨大な隕石が墜落する。続いて街を破壊していく異常気象が発生。ボストンの市民たちは大パニックに。(C) 2013 Rock Storm Productions (Tftm3) Inc. All Rights Reserved
異常な竜巻が石をばら撒きながら暴れまわるチープなディザスタームービー。
開始5分で「あ、これアホな映画だ」となるものの、結構真面目に作ってある。ただし予算が無かったのか非常にチープで、安っぽすぎて笑ってしまう。お話も物凄く雑なので、雑なB級ホラー映画好きでないと厳しい。真面目な目で観てはダメなやつ。笑える。
「荒唐無稽」な災害タイプで、人々の対応含めあまりリアルではないためディザスタームービーとしては微妙なところ。
ホイホイ人が死ぬものの、緊張感に欠けるのでホラーというよりコメディに近い(一応、いたって真面目に作ってある)。
展開はご都合主義でツッコミどころ満載、CGはチープ、セットもチープ。そんなB級クソ映画だけど真面目に作ってあってそれなりに飽きずに観られる。
ツッコみながら笑って観たい人におすすめ。
ネタバレあり感想
原題は「Stonados」で、作中で登場した「Stone + Tornado = Stonado」という造語の複数形。邦題もそう悪くないと思う。
まぁ、もう開始直後の女性が竜巻に引き込まれるところから既にギャグだよねコレ。
その後の黒人が隕石に潰される所も、コレは完全にギャグでやったとしか思えないんだけど、その後は真面目にディザスタームービーやってるので「もしかして真面目か……?」と疑問。
降ってきた石で人間が綺麗に消滅するのが面白すぎる。予算が無いからなんだろうけど。
空から爆発する石が降ってくると分かったのに、主人公たちの無防備ふりと来たら…やっぱB級映画の主人公はこうじゃないと務まらないね。
割りと非常事態宣言モノなのに、海上局の対応しか出てこない辺り、予算の都合なんだろうけど不自然すぎる気がする。
ラストの5トン(TNT換算値と思われる)爆弾をランチャーで手動投擲しようっていうの、計画の時点で既にギャグなのに「発射できない→車に載せて突撃」というのは、これはもう完全に笑わしに来ていると思った。軍人呼ぶのが間に合わないとしても警察とかがやる所なのでは。
「爆発性のガスだから火をつければ一発で消滅、竜巻で火の気が吸収されるから……」という理屈なら、上陸した時点で可燃性物を吸い込んで自爆消滅しそうなものだけど、そこはやはり何トンかくらいの爆発力は必要だったという感じだろうか。
予算がないのに大作と同じ様なディザスタームービーの作り方した点に敬意を表しつつ、やはりディザスタームービーはお金掛けないとダメなんだねっていうのがよく分かった。
7BOX
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少年ビクトルは、通りかかった精肉店の店主から、100ドルを渡す代わりに7つの箱を運べと言われた。箱の中身は絶対に覗くなという店主の言葉を不審に思いながらも、ビクトルは大金欲しさから仕事を引き受ける。(c) 2013 maneglia schembori realizadoresv
荷運びの少年がヤバい物を運ぶ事になってしまうパラグアイ映画。
ごちゃごちゃと物だらけな市場の中を、手押し車に荷物を載せながら駆け回る映画なんだけど、これがかなり面白い。
7つの箱を中心に人々が翻弄されて、どんどんおかしな事になっていく。視聴者は「神の視点」で見ているのでその過程が分かって、ハラハラドキドキしながら見守る事になる。
ストーリーの面白さもさる事ながら、パラグアイの日常描写っていうのも日本人からすると新鮮で面白い。
そう難しい話でもないので、気軽に観て欲しい。
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原題は「7 CAJAS」で、英語では「7 BOXES」となっている。複数形のSをわざわざ除去してあるのが邦題らしくて面白い。「Caja」はスペイン語で「箱」らしい。
事態を縺れさせた原因の「金と間違えて人体をバラして箱詰めしちゃった」というのが、面白すぎる。
ネルソンと仲間たちが金絡みだからといって過激すぎるでしょ、と思うところだけど犯罪者から「信頼」されている運び屋という事だから、元々ヤバい奴だったんだろう。
最後は世界中のテレビに映れてチョット嬉しい という、全体的に悲惨な事になってる割りに軽い感じで良かった。
パラグアイは南米の中央辺りにある国で公用語はスペイン語。比較的貧しい国で貧富の差が激しい。治安もあまり良くないみたい。
警察車両が軽トラみたいなので、荷台で人と死体を一緒に運んでるとか、観てて「おぉ、こんな国なんだ!?」という点が結構あった。
スパイダー・シティ
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ルイジアナ州で発生した地震により巣穴を奪われた巨大グモたちが、地上に出て人々を襲い始めた!ツアー会社で働きながら、お気楽な生活を続けていたポール。ポールはバスツアーのガイド中に巨大グモに遭遇する。(C) Aed Arachnoquake, LLC . 2012
巨大クモが出てくるスパイダーパニック映画。馬鹿映画。
何故か一ジャンルとしてあるスパイダー・パニック映画なわけだけど、期待を裏切らず「ハリウッドのバカっぽい映画」をやってる。その割には全体としてダメな点が少なくて、結構楽しめる。
もちろんCGはショボいし、取ってつけたような設定が突然出てくるし、バカとしか言いようがない、ショボいB級映画。そんなアホ映画を楽しみたいな、という人におすすめ。
あとターミネーター2のエドワード・ファーロングがチョイ役で出てくる。
ネタバレあり感想
原題は「ARACHNOQUAKE」で「Arachno」は蜘蛛、「Quake」は揺れ/振動。直訳するなら「蜘蛛震」という感じだろうか。
全体的に予算がなくておバカな映画なのに、割りと真面目に作ってある風な所が良い。展開もダレず、お話としてもまとまってる。BGMの入れ方が良くて、音楽で乗り切ってる感ある。
ツッコミどころは数え切れないほどあるけど、それも含めて魅力だろうか。
「スパイダークイーンを倒せばすべてのクモは死ぬ!」という、あまりにも取ってつけたような映画的設定も、ここまでアホ映画だと「そういう感じでしょうね!」としか思わない。でも、生物学の先生がちゃんと解剖してその理屈を説明している、みたいな所がキチンとしている。B級映画にしては丁寧な仕事だと思う。クモが火を噴く設定も石油会社が掘削してシェールガスが云々という理屈をちゃんとつけてる。悪いのは人類の環境破壊なんだ、みたいな雰囲気をちょっと出してみたりしてる。
いい加減なダメ男だった主人公が成長するみたいな取ってつけたようなストーリーの柱もちゃんとしてあって、偉いなぁと感心した。
最後は大爆発&ヒーローの生還というのも「ハリウッド映画だし当然そうだよね」みたいな感じでスッと受け入れられる。
デッドウォーカー・インフェルノ
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人間が襲われる地獄から脱出しろ!!世界の映画祭で話題騒然!骨の髄まで喰い尽くす!トラウマ級の衝撃!楽しいキャンプ場が地獄の森へと変貌!襲い来るゾンビの大群を返り討ち!壮絶!爽快!華麗なゾンビハンティングを描くサバイバル・ホラー・アクション!!
ドイツ産のゾンビ映画。一応真面目な映画だと思うんだけど、全体的に笑える。
全体的には一応のまとまりがあって、納得のいく話になっている。なるほどドイツらしいゾンビ映画。
単なるゾンビ災害ではなく、何者かによって制御され、逃げられない状況に置かれている… というのが、ちょっと変わったポイント。ゾンビはメインではなく舞台装置といった感じになっている。
全体的にアクションが凄い。いくら何でもゾンビそこまで脆くないでしょ??っていうくらい凄い。ゴアシーンも結構派手にやってるので、とにかく画面的に飽きにくい。展開も早い。
登場人物もキャラが濃い。ドイツ人女性っぽいな!というヒロイン(?)が出てくる。あと登場人物が馬鹿しかいない。
派手なノリの、それでいてバカすぎないゾンビ映画が観たいな~という時におすすめ。
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原題は「Caedes」で、Google先生によるとラテン語で「殺戮/虐殺」の意味らしい。邦題は……もうゾンビ映画は邦題に期待してはダメだよねっていう感じ。
主人公達が強すぎてゾンビに対して無双状態に近いのに、馬鹿すぎて被害者が出るという感じなので、緊張感がない。主人公達自体に緊張感がなさすぎるんだと思う。というか主人公たちが脳筋すぎる。
ナチス+ゾンビ っていうのどっかで見た気がするやつだけど、特に融和してない感じがする。というか話の真相をナチスにしたせいで、ゾンビは本当に背景みたいになってしまった。アメリカ映画なら「えっ、何でナチス出てきた」ってなるくらい唐突だけど、ドイツ映画と言われると「それじゃー仕方ないわナチスだわ」と思ってしまう。
ベジタリアンゾンビがマスコットか何かみたいに扱われているのが面白かった。まぁ最後肉食ってたけどね。
80デイズ
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19世紀末、イングランド銀行に、泥棒ラウ・シンが侵入する。賊は軽業師のような身のこなしで脱出すると姿を消してしまう。ラウ・シンが身を隠したのが、空を飛ぶ夢にとりつかれた発明家フィリアス・フォッグ氏の屋敷だったことから、奇想天外な物語が始まる。
ジュール・ヴェルヌ作「八十日間世界一周」を元にしたファンタジー・アクション・コメディ映画。ジャッキー・チェンが主演。シュワルツネッガーやサモ・ハンも出てくる。
原作小説とはだいぶ内容が違うし、ジャッキー・チェンのアクションもいまいち。ストーリーも大雑把。アタマの悪い感じの映画。
ザ・娯楽映画という感じの作りで、何も考えずに観られる。展開も早いしビジュアル的にも派手で面白くしてあるから、飽きずに観られると思う。
スチームパンクっぽい発明品が色々登場するので、そういうのが好きな人は気にいるかも。
アタマの悪いお気楽映画を観たい人におすすめ。暇つぶしに最適。ファミリー映画。
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原題は「Around the World in 80 Days」で「八十日間世界一周」だけど、邦題は「80デイズ」と何故かよく分からない事になっている。ただ、原題通りで出したら「原作と違うやんけ」という苦情が殺到しそうなので、そこら辺を配慮してこんなタイトルになったのかも。
制作費は120億円ほどらしく、そこそこお金をかけてあるし、一応映像からもそれが感じ取れた。
全体的に微妙な感じがしてしまうのは、メインとも言えるジャッキーのアクションにキレがないせいだろうか。撮影時は50歳だったらしいので仕方ないのかもしれないが。ストーリーもこまめに入ってる笑い要素も全てが二流というような印象だった。
興行的にも大失敗したらしく、まぁコレを映画館で観たいかって言われたらちょっと微妙だなとなるのは分かる。
原作の「八十日間世界一周」はとても面白いのでおすすめ。