パージ
ネタバレなし感想
犯罪が激増し、刑務所は犯罪者であふれかえるアメリカ。政府は対策として年に1度、12時間だけ殺人を含むいかなる犯罪も認めることにする。警察は出動せず、病院は医療活動を行わない。人々は一夜だけ罪の意識を感じることなく過ごせるのだ。暴力と犯罪が横行する夜、ジェームズ・サンディン(イーサン・ホーク)の家に見知らぬ男が助けを求めにやってくる。
特殊な世界観下で殺人と裏切りに恐怖する感じのサバイバルホラー。
年に1度、12時間だけ殺人を含むいかなる犯罪も認めることにする「パージ」という仕組みが導入されたアメリカが舞台で、この世界設定が全てだと思う。コレが実に面白いし良い設定。
一方でホラー映画としては微妙で、この設定を活かしきれていない感じがした。あまりパージに関する説明的な映画ではなくて、単に殺人鬼達に家が襲撃される映画。
ラスト辺りの展開はまぁちょっと面白かったかな? でも終わり方は微妙。
この世界設定はかなり好きなので他の派生映画が増えて欲しい。
ネタバレあり感想
パージの設定はとても面白い。もちろん荒唐無稽だし、中学生が考えそうな世界設定でもあるけど、真面目にやればホラーやアクション映画の背景設定としては機能すると思う。
本作が微妙なのは、パージの設定が面白いのに「単なる背景設定」としてしまった点だと思う。つまり、家の中に籠もって襲撃されるが外部に助けを求められない みたいな状況の説明として「パージ」がある状態。
ラストは「周辺住民が恨みと妬みでパージしてくる」という感じで一応パージの設定が生きていた気がする。
パージの設定自体は確かにすごく便利で、色んなシチュエーションにおける背景事情のカバーができると思う。警察や軍隊が助けに来ない理由として使える。
でも、パージでアメリカがどうなってしまうのか、まずそこが気になるからそこら辺をもっと描いて欲しいな~
……という事で、そういう方向に舵を切ったのが続編なので、パージの設定が面白いと思った人は続編も見てみよう。