ゲット・アウト
ネタバレなし感想
ニューヨークに暮らすアフリカ系アメリカ人の写真家クリスは、ある週末に白人の彼女ローズの実家へ招待される。若干の不安とは裏腹に、過剰なまでの歓迎を受けるものの、黒人の使用人がいることに妙な違和感を覚える。
意外な展開を見せる低予算のサスペンスホラー、ヒルビリーホラー。黒人差別が主要なテーマになっている。
黒人主人公が白人恋人の実家を訪問するも、使用人の黒人の様子がおかしい。パーティーにやってきた黒人もやはり何かがおかしくて……
前半はなんだかマッタリした映画だなと思って見ていたら、30分辺りから急展開で面白くなった。マッタリした前半に伏線が沢山あるので集中して観よう。真相を知らないで観たほうが絶対面白いので、ネタバレを見てしまう前に視聴する事をおすすめする。
解説などからあまり劇的な展開のないゆるいホラーかと思って観たんだけど、別にそんなことはなくて見ごたえのある映画だった。
ホラー好きなら前半は我慢して観て欲しい。また催眠術が出てくるので、催眠好きの人は観ても良いかも。100分と短く見やすい映画。
ネタバレあり感想
原題は「Get Out」で邦題はそのまま。命令形なら「逃げろ」とか「出て行け」という意味だし「取り出す」や「逃げ出す」という意味もある。作中で錯乱した黒人が叫んでいた言葉。複数の意味が映画の内容と合致していて上手いタイトル。
制作費が5億円くらいらしい。恐ろしく低予算な映画の割りに、よくできていた。
作中で黒人差別の問題が色々出てくるけど、日本人からすると知らない文化という感じなので、コレを機会に調べてみると良いかも。
観終わってから再視聴してみると、村人や黒人達の外観言動などの意味がわかって面白い。黒人たちはみんな帽子を被っているけど、脳手術の跡を隠すためという事だろう。他にも「なるほどね」と思う演出が多数ある。
真相は「家族ぐるみで黒人を拉致、洗脳して脳移植手術をしていた」という事なわけだけど、流石に脳移植はぶっ飛び過ぎで驚いた。意外性はあるけど、ちょっと無理がある内容なんでB級感が増している。脳移植するのにあの手術室は無理なのでは。脳移植したのに元の人格が戻るという事は、完全な交換ではなく一部だけ移植とかそういう事なんだろうか。
ラストは警察に捕まってしまうのかと思ったらロッドが来てハッピーエンドだったのが意外だった。調べたら、本来はやはり警察に逮捕されるエンドだったらしい。ただ警察による黒人射殺事件が相次ぐ中で、あえてハッピーエンドにしようという決断を下したらしい。