ポーカーナイト 監禁脱出
ネタバレなし感想
アメリカのある町では刑事が夜な夜な集まり、ポーカーをしながら仕事の武勇伝を語り合う「ポーカー・ナイト」が開かれていた。新米刑事のスタンはいつものようにポーカーを終えた帰り、何者かに襲われて地下に監禁される。ポーカー・ナイトで語られた逸話をヒントに脱出を試みるが...。
この記事は事故によって一度消えてしまい、失意の下で書き直したものです
監禁された主人公が脱出しようとする現在のシーンと、主人公が過去を回想するシーンが交互に出てくる映画。
ホラーやミステリーとしては今ひとつで、過去回想で語られる刑事達の体験談がちょっと面白い。
ストーリーは微妙だけど雰囲気の良い映画。
登場人物が皆バカなので、
一応ミステリーっぽい所もあるんだけど、ミステリーとして観ない方が良いかも。監禁モノが好きな人にはおすすめかな。
接着剤にこだわりのある映画。
ネタバレあり感想
原題は「Porker Night」で、邦題は監禁脱出を追加しただけ。
作中で出てくる「教訓/後知恵」は、英語では「Wisdom/Hindsight」となっている。Wisdomは「知識/知恵」という意味だけど「経験から得られた」というニュアンスがあるらしい。Hindsightは「後知恵」なんだけど「後から考えた事」とか「結果論」というようなニュアンスっぽい。
冒頭での説明をまとめると「教訓と後知恵は似ていて、どちらも今日ではなく明日に役立つ」と言っている。
「僕の得た教訓は、全て後になって分かった事」と言ってるんだけど、これを言ってる現在日時がよくわからなくて、撃たれて倒れてるシーンのものなのか、ラストのポーカーシーンでのお話なのか。
登場人物がアホすぎる。刑事たちも、主人公も、犯人もどれも頭が悪いようにしか見えない。特に主人公の「経験から学ばさっぷり」は酷いものがある。そういう風に見せたい映画なんだろうか?手錠だけではダメと分かった直後に手錠だけで放置するとか。そういうとこやぞ!
警察/刑事が無能な点については、まぁそういう感じなのかもしれないなとは思う。
接着剤で壁にくっつけるのはちょっと面白かった。自ら痛みを選んで剥がす必要がるので、ちょっとSAWっぽい。
でも、接着剤って表面をくっつけるだけなので、そんなにダメージにもならないし下手すると身体を壁にくっつけて保持するのは無理かもしれない。表皮は剥がれる機能を持ってるし、微妙すぎる。あんな小さな容器の接着剤34本というのも少ないのでは。
銃に接着剤トリックは、正直「頭悪いな」としか言えない。犯人を頭脳犯っぽく見せたかったんだろうけど、接着剤銃みたいな一見アホなトリックを使うには「仮にスルーしても二重三重に罠があり、どれかに引っかかってしまう」みたいな描写が必要となるはず。本作では「運が悪いだけ」に加えて「主人公が凄いバカ」という感じしかない。
そもそも、実際に可能なトリックなのか自体が怪しい。瞬間接着剤は乾燥してしまうからああやって罠にするのは難しいし、瞬間でない接着剤はしばらく動かさないで保持しないと接着されない。そもそも、手と銃が接着されたらいくら何でも途中で気がつくでしょ。
回想シーンがやたらと挟まる構成は、どちらかといえば悪く機能しているように感じた。混乱する程ではないものの、監禁シーンの緊迫感がぶつ切りになってしまう。
犯人が顔を隠していたのに「特に誰でもなかった」というのは、驚きも大して無いし、特に感銘も受けなかった。意外性というのは伏線が無ければ「あっ、ふ~ん?」で終わってしまう。しかも「犯人はちょっとした関わりのある人物」というのは、それ自体特に不思議ではなく、むしろ普通。そこに「でも顔を隠しているという事は、実は回想登場人物の中の誰かなのか?といった「疑念」が湧いてくる。そこで想像もしてない人物だと分かったりすると面白いわけだけど、疑念の無い状態の「特に回想に出る人物というわけでもない」という真実は、残念な気持ちしか生まないだろう。
この映画は何を言いたかったのだろう。ヒトは教訓を活かせない、後から気づくだけ とかだろうか。でも登場人物のウッカリ度が普通以下に見えてしまうので