ザ・ボーイ 人形少年の館
ネタバレなし感想
ローレン・コーハン主演!全米スマッシュヒットの新感覚ホラー!グレタは、老夫婦と暮らす6歳の男の子のベビーシッターとして、イギリスの片田舎の豪邸に移り住むのだが、現地で彼女を出迎えたのは少年サイズの人形で、夫婦からこの人形の世話に関する不可解な10のルールを言い渡される。
不気味な人形の世話を依頼された主人公が、お屋敷の中で不思議な現象を体験し……といった感じのオカルトホラー。
割りと初っ端から不気味な雰囲気であるものの、話の進展は遅く感じられる。それでもちょくちょく不思議現象が起こってくるので、そこまで飽きない。ラストの方ではキチンと緊迫したお話になって少し面白い。
顛末含めありがちなホラー映画といった感じなんだけど、割りとよくできていると思う。ホラー映画ジャンルが全体的に好きな人におすすめ。
日本のトレイラームービーなどがネタバレしようとしてくるので、事前情報は仕入れずに見ることをおすすめする。
ネタバレあり感想
原題は「THE BOY」で、邦題は内容をちょっと説明として加えたという感じだろうか。
日本語のあらすじでは主人公は「ベビーシッター」となっているけど、英語では「nanny」となっている。ベビーシッターは幼児の世話も含まれるが、ナニーは幼児~少年期に子供の面倒をみる職業で、メリー・ポピンズと同業。
怪奇現象が実は壁の裏に潜む人物の仕業でした、というのは他でも何度か見た展開なので、意外性より「あっ、このパターンなんだ」と思ってしまった。しかも途中でなんとなく分ってしまう。それまでオカルト的な怖さを醸し出していたので、人間が犯人と分かると逆に怖くない。
ラストのどんでん返しとしてブラームスが登場したせいで、今ひとつ背景事情がハッキリしない。少女を殺したブラームスを警察から隠すため死んだことにして、屋敷の壁の中にずっと入れていた……という事だろうか。壁の裏で暇なブラームスは筋トレに励み、ムキムキマッチョマンとなって手がつけられなくなっていたのだろう。
ラストの方でブラームスの隠れ家が出てくるが、アクセサリー作りや剥製作りなど趣味が多彩なようだ。冷蔵庫や電子レンジもあり生活感がある。壁に卵の緩衝材をくっつけてあるのは防音なんだろうか。
ブラームスの正体が分かると、それまで老夫婦が言っていた事の意味が違って見えて、おかしな決まりごとの意味がわかる、という仕組みになっている。
子守のルール10個考
- ①No Guests
- ブラームスの事がバレると困るから
- ②Never Leave Brahms Alone
- 人形から離れると本物が出てくるからか?
- ③Save Meels In Freezer
- ブラームスが取り出して食べるためか?
- ④Never Clover Brahms Face
- よく分からない。
- ⑤Read a Bedtime Story
- 寝かしつけないと出てくるからか?
- ⑥Play Music Loud
- 壁の中に居るので大きな音量で音楽をかけないと聞こえない。詩の朗読を大きな声でさせるのも同様の理由と思われる。
- ⑦Clean the Traps
- ネズミは壁の裏に入るので、本物のブラームスが恐れたり暴れたりするからか?
- ⑧Only Malcolm Brings Deliveries
- マルコムは屋敷のルール等に慣れているからか?
- ⑨Brahms is Never to Leave
- よく分からない。
- ⑩Kiss Goodnight
- よく分からないがブラームスの隠し通路内にも貼ってあるし大事なんだろうか。
不思議なことに日本語の解説にある10のルールは一部が違っている。
⑤⑧⑨がなくて代わりに以下の項目がある。
- 毎朝7時に起こすこと
- 平日は3時間勉強を教えること
- 必ず少年に食事を与えること
オカルト的な怖さは最後に打ち消されてしまったし、怪人的な怖さとしても微妙なんだけど「粗暴な引きこもり息子に耐えられず老夫婦が自殺する」という事情を冷静に考えると、リアルな怖さが見えてくる。映画内ではあまりその辺りが描かれていないのが残念。
ひきこもりの子供に対して、直接話しかけるのではなく、人形を介して間接的に話しかけるというのは手法としてはアリな気がする。