マングラー
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ブルー・リボン洗濯工場で働く少女の血により悪魔が宿った洗濯用プレス機マングラ-。人間の血をおぼえたマングラ-は次々と人間を襲っていく。刑事ジョン・ハントンはマングラ-の暴走を止めるために立ち上がる。
洗濯物プレス機に人が巻き込まれる労災オカルトホラー映画。経営者の人格がゴミなブラック労働映画でもある。スティーブン・キング原作、1995年制作。
グログロスプラッターな映画なんだけど、機械に巻き込まれて死ぬのでグロさの感覚が違う。それでいてオカルトホラーだって言うんだから面白い。
古い映画だけど、展開の遅さも感じないし今観ても面白いと思う。
スティーブン・キング原作のホラー映画が好きな人にはおすすめ。
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原題は「The Mangler」で、キングの原作は「人間圧搾機」。
この手の装置への人間巻き込みは原題でも途上国などでよく見られる。人間がまるごと巻き込まれるかどうかはトルクの強さや構造によるけど、古い大型装置は基本的に巻き込まれやすい。電子制御の機械と違って機械制御の機械は単一の動力源を大きなパワーとして装置全体を動かす構造であるため、細部に渡って無駄にトルクが強い。
巻き込み労災自体怖いけど、悪魔の契約が出てきてオカルト的な展開になり、更には装置が動いて襲ってくるという辺りはつい笑ってしまう。
まとめるのが難しそうな構成でありながら、全体がうまくまとまっていると思う。胃薬にベラドンナが含まれていたとか、伏線がなかなか細やかで良い。
ザ・ボーイ 人形少年の館
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ローレン・コーハン主演!全米スマッシュヒットの新感覚ホラー!グレタは、老夫婦と暮らす6歳の男の子のベビーシッターとして、イギリスの片田舎の豪邸に移り住むのだが、現地で彼女を出迎えたのは少年サイズの人形で、夫婦からこの人形の世話に関する不可解な10のルールを言い渡される。
不気味な人形の世話を依頼された主人公が、お屋敷の中で不思議な現象を体験し……といった感じのオカルトホラー。
割りと初っ端から不気味な雰囲気であるものの、話の進展は遅く感じられる。それでもちょくちょく不思議現象が起こってくるので、そこまで飽きない。ラストの方ではキチンと緊迫したお話になって少し面白い。
顛末含めありがちなホラー映画といった感じなんだけど、割りとよくできていると思う。ホラー映画ジャンルが全体的に好きな人におすすめ。
日本のトレイラームービーなどがネタバレしようとしてくるので、事前情報は仕入れずに見ることをおすすめする。
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原題は「THE BOY」で、邦題は内容をちょっと説明として加えたという感じだろうか。
日本語のあらすじでは主人公は「ベビーシッター」となっているけど、英語では「nanny」となっている。ベビーシッターは幼児の世話も含まれるが、ナニーは幼児~少年期に子供の面倒をみる職業で、メリー・ポピンズと同業。
怪奇現象が実は壁の裏に潜む人物の仕業でした、というのは他でも何度か見た展開なので、意外性より「あっ、このパターンなんだ」と思ってしまった。しかも途中でなんとなく分ってしまう。それまでオカルト的な怖さを醸し出していたので、人間が犯人と分かると逆に怖くない。
ラストのどんでん返しとしてブラームスが登場したせいで、今ひとつ背景事情がハッキリしない。少女を殺したブラームスを警察から隠すため死んだことにして、屋敷の壁の中にずっと入れていた……という事だろうか。壁の裏で暇なブラームスは筋トレに励み、ムキムキマッチョマンとなって手がつけられなくなっていたのだろう。
ラストの方でブラームスの隠れ家が出てくるが、アクセサリー作りや剥製作りなど趣味が多彩なようだ。冷蔵庫や電子レンジもあり生活感がある。壁に卵の緩衝材をくっつけてあるのは防音なんだろうか。
ブラームスの正体が分かると、それまで老夫婦が言っていた事の意味が違って見えて、おかしな決まりごとの意味がわかる、という仕組みになっている。
子守のルール10個考
- ①No Guests
- ブラームスの事がバレると困るから
- ②Never Leave Brahms Alone
- 人形から離れると本物が出てくるからか?
- ③Save Meels In Freezer
- ブラームスが取り出して食べるためか?
- ④Never Clover Brahms Face
- よく分からない。
- ⑤Read a Bedtime Story
- 寝かしつけないと出てくるからか?
- ⑥Play Music Loud
- 壁の中に居るので大きな音量で音楽をかけないと聞こえない。詩の朗読を大きな声でさせるのも同様の理由と思われる。
- ⑦Clean the Traps
- ネズミは壁の裏に入るので、本物のブラームスが恐れたり暴れたりするからか?
- ⑧Only Malcolm Brings Deliveries
- マルコムは屋敷のルール等に慣れているからか?
- ⑨Brahms is Never to Leave
- よく分からない。
- ⑩Kiss Goodnight
- よく分からないがブラームスの隠し通路内にも貼ってあるし大事なんだろうか。
不思議なことに日本語の解説にある10のルールは一部が違っている。
⑤⑧⑨がなくて代わりに以下の項目がある。
- 毎朝7時に起こすこと
- 平日は3時間勉強を教えること
- 必ず少年に食事を与えること
オカルト的な怖さは最後に打ち消されてしまったし、怪人的な怖さとしても微妙なんだけど「粗暴な引きこもり息子に耐えられず老夫婦が自殺する」という事情を冷静に考えると、リアルな怖さが見えてくる。映画内ではあまりその辺りが描かれていないのが残念。
ひきこもりの子供に対して、直接話しかけるのではなく、人形を介して間接的に話しかけるというのは手法としてはアリな気がする。
ブラッディ・ホワイト 白の襲撃者たち
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爆破事件で現場へ向かった刑事が負傷し運び込まれた病院。そこは、数々の謎が隠された凶悪な犯罪者たちの巣窟だった...!注射の代わりに銃弾を!!何者かに操られ凶暴化した魅惑のナースが、銃を手に悪魔の裁きを下していく!刑事との激しい対決を描く壮絶バトル・ガン・アクション!!
病院で不思議で怖い事が色々と起こる2015年のホラー映画。パケ絵・煽り文句・あらすじ全て配給会社の詐欺なので注意が必要。
タイトル、パケ絵、煽り文句から「オカルトナースが銃ぶっ放すバカ映画だな多分」と思って見たんだけど、全くそういう感じではない真面目なホラー映画だった。配給会社はこういう事故を故意に引き起こすのやめてもらいたい。
爆弾テロとキリスト教を中心に、不思議な事が色々と起こっていく感じ。全体的に緊迫感がありつつも、ミステリーとしても割りとちゃんと出来ていて面白い。展開が早いのに謎も多く、時間が長く感じられる映画だった。
あまり説明するとネタバレになってしまうので細かくは言えないものの、真面目なホラーなのでホラー映画好きにはおすすめしたいかな。キリスト教系の映画なので、日本人が見ると微妙かも。
アクションといえば確かにアクションは多いんだけど、アクション映画というわけではない。サスペンス、ミステリー。
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原題は「Convergence」で、意味は「収束、収斂、一箇所に集める事」らしい。よくわからないが邦題はパケ絵と煽り文句あわせて「わざと誤解させようとしている」としか思えない。クソ配給会社案件。何故そういう売り方ばかりするんだ……出来が悪い作品でもないし、普通に売ればよかったのでは。
主人公がもう死んでる、というのはかなり早い段階で予測がついた。それでいて「どういう事なんだろう」という気持ちで後半まで見られた。まさか16年も経過した現代と繋がっているとは。
途中で出てくる黒い影は、悪霊かはたまた消えかけている霊か……とおもったら、まさかの「生きた人間」だった。
しかし、ダニエルは何であんな事が出来るのかみたいな部分が良く分からなかった。
7 WISH / セブン・ウィッシュ
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17歳の少女がゴミとして捨てられていた中国製の箱と出会い、箱の力で7つの願いを叶えていくオカルトホラー。
7つの願いが叶う箱、願いの代償は…という言葉でほぼ説明できてしまうオカルトホラー。2017年のアメリカ映画。
もう大体どうなるか分かると思うんだけど、映画全体の質がそう悪くなく、人がポコポコ死ぬので割りと飽きずに観られる。
「次は一体誰が死ぬのか」「どんな死に方をするのか」にドキドキするタイプのホラーで、ファイナル・デスティネーションとかに近い。ただしゴアシーンは控えめ。
オカルト不思議系のドラマ1話分程度の内容だと思う。特に目新しい部分が一つもない映画。
可もなく不可もなくといった感じなので、この手のオカルト話が好きなら暇つぶしに見ても良いかもしれない。
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原題は「Wish Upon」で「(嫌なモノなどを)他人に押し付けたいと思う」や「願い事をする」という意味があるらしい。「Wish Upon a Star」で「星に願いをかける」という様な使い方。邦題は「7つの願い」で内容そのまま。英語にして原題風を装ってる理由はよく分からない。
興行的にはやや失敗気味らしいものの、制作費が12億円程度のためギリギリ黒字のようだ。ただしレビューでは酷評されている。
ラストでタイムスリップするとは思わなかったというか「その効果は強すぎるのでは」と思ったんだけど、オカルト系ではたまにあるやつ。最後の最後までだいたい予想通りで、あんまり言うこともない。
この手のお話では「ラストの願いを上手く使って呪いを断ち切る」みたいなのが王道のグッドエンディングなわけだけど、結局最後まで主人公はちょっと間抜けだったという結末は、驚きも無いし嬉しくもないし、映画のラストとしてはちょっと不満が残る。30分ドラマのラストでやるような話。
死に方をもっと工夫してグログロスプラッターにしてあればちょっとは良かったかなと思うけど、この映画はライトな需要に応える感じのモノだろうし、難しいな。
シンク内蔵のゴミ粉砕機(?)に巻き込まれて死んだのはちょっと面白かった。アメリカの家あんな危険な装置があるんだ?
Stay
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ユアン・マクレガー&ナオミ・ワッツ2大スター競演。口外禁止、極限のサイコ・スリラーこの映画には謎がある。予告:「誕生日の夜に自殺する」。そして、彼は姿を消した。
自殺をほのめかす学生を主人公の精神科医が追っていくうちに、未来予知や不思議な出来事が色々起きてくるミステリー映画。
一体何が起こっているのか…を想像/考察しながら観ていくような映画だけど、その結末については納得いくかどうか評価が分かれると思う。
全体的に不思議な感じで、展開としては分からないシーンが続き過ぎでかったるく感じたり、飽きてしまったりするかもしれない。
雰囲気が良く映像の綺麗な映画。一回の視聴で把握し切るのが難しく、二回以上観たほうが良くて、何回か観てよく考えると面白い映画(…なので、一回目で気に入らないとクソ映画化する)。
個人的には結末含め気に入ったので★4にしたけど、おすすめ度はそんなに高くない。極低評価する人が居るのもわかる。ただ気にいるヒトはかなり気に入ると思う。心理学とかが好きな人にはおすすめ。
エンドロールも良く出来た映画なので、最後まで観て欲しい。
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タイトルは原題と同じで「Stay」なんだけど、邦題は「ステイ」らしい。AmazonVideoでは「Stay」になっている。どちらにしろ同じ。
ラストシーンでサム達が「Stay~」と盛んに言っている。これは「死ぬな(留まれ)」という主旨の言葉で、タイトルはこの辺りからだろうか。
結局この映画は「走馬灯」のようなモノだったという事だと思う。事故で死ぬ寸前のヘンリーが見た幻影。その場に居たヒトや、起こった出来事に、事故に対する罪の意識などヘンリーの心理がが混ざり合って出来た世界。サムは現場に居合わせた医師でライラもたまたま居た看護師。
ある種の夢オチ的な映画で、ソレまでのミステリー的な展開について真面目に考えてしまった人は怒ったり呆れたりするかもしれない。
……とはいえ、冒頭のシーンや途中のセリフ等から、真実がどうなのかは早い段階で予測できてしまった。この結末も珍しいモノではないし。予測できた人の方が「多分そういう映画かな」と思って観るので、ラスト含め受け入れやすいのかも。
世界の描き方、その不思議さなどが実際の夢によく似ていると思った。普段、自分はかなり長い夢をよく見て記憶にも残っているんだけど、その感覚にかなり近い。逆に夢を普段見ない人は、この映画を見ても感覚的にピンとこないのかもしれない。
最後の真相からそれまでのシーンが全部繋がっている辺りが良く出来てるんだけど、一度の視聴で全部把握するのは多分無理なのでソコらへんが厳しいと思う。