Street Kings
ネタバレなし感想
「L.A.コンフィデンシャル」以来の衝撃、キアヌが挑むクライム・アクション最期に頼れるのは、魂か。弾丸か。
キアヌ・リーブス主演の警察映画。アクション映画。
ほいほい犯人を殺すアル中凄腕刑事の主人公が、かつての同僚を殺した犯人を追っていくというお話。
やっぱアメリカの警察は腐ってるな、という描写の多い内容。テンポよく進み話も面白い。ガンアクションも盛りだくさんで満足。
悪徳警官モノが好きな人、キアヌ・リーブスが好きでマトモな映画観たい人には特におすすめ。
ネタバレあり感想
原題は「Street Kings」で邦題が「フェイク シティ ある男のルール」。Amazonビデオでは原題になっている。Kings と複数形になっている所がミソだろう。作中でワンダーが自分の事を「King」と称していたので、Kingの一人は彼だろう。
話の構造は別にそう特異でもなくて、コンビニ強盗の時点で真犯人はだいたい分かると思う。まぁフォレスト・ウィテカーという配役でも分かってしまうが……
最後は死んで終わりそうだなと思っていたら、以外にも無事だった上に隠蔽はワンダーだけの得意技ではなく、警察組織全体のものだったという感じで後味の悪い終わり方。
単純に汚職していたワンダーが悪いとか、アル中殺人刑事の主人公が悪いとか、そういう事ではないし、警察組織の隠蔽みたいなのも単純に悪いとは言えない。じゃあ何が悪いのか……という映画でした。
マングラー
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ブルー・リボン洗濯工場で働く少女の血により悪魔が宿った洗濯用プレス機マングラ-。人間の血をおぼえたマングラ-は次々と人間を襲っていく。刑事ジョン・ハントンはマングラ-の暴走を止めるために立ち上がる。
洗濯物プレス機に人が巻き込まれる労災オカルトホラー映画。経営者の人格がゴミなブラック労働映画でもある。スティーブン・キング原作、1995年制作。
グログロスプラッターな映画なんだけど、機械に巻き込まれて死ぬのでグロさの感覚が違う。それでいてオカルトホラーだって言うんだから面白い。
古い映画だけど、展開の遅さも感じないし今観ても面白いと思う。
スティーブン・キング原作のホラー映画が好きな人にはおすすめ。
ネタバレあり感想
原題は「The Mangler」で、キングの原作は「人間圧搾機」。
この手の装置への人間巻き込みは原題でも途上国などでよく見られる。人間がまるごと巻き込まれるかどうかはトルクの強さや構造によるけど、古い大型装置は基本的に巻き込まれやすい。電子制御の機械と違って機械制御の機械は単一の動力源を大きなパワーとして装置全体を動かす構造であるため、細部に渡って無駄にトルクが強い。
巻き込み労災自体怖いけど、悪魔の契約が出てきてオカルト的な展開になり、更には装置が動いて襲ってくるという辺りはつい笑ってしまう。
まとめるのが難しそうな構成でありながら、全体がうまくまとまっていると思う。胃薬にベラドンナが含まれていたとか、伏線がなかなか細やかで良い。
クロッシング
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『イコライザー』のアントワン・フークワ監督、『プリデスティネーション』のイーサン・ホーク主演の刑事サスペンス!定年目前のベテラン警官、貧困に苦しむ麻薬捜査官、仕事に息づまる潜入捜査官。全く接点の無かった3人が、ある殺人事件をきっかけに奇妙で危険な繋がりを見せ始める。
3人の警察官が善悪の縁をウロウロしながら仕事をして、その運命が交わる……という感じの警察映画。
3本のオムニバス映画に近くて「話が交わる」という感じではない。警察官のお話が独立していて、それぞれ面白い。リアルな警察官生活が描かれていて、アメリカの警察が抱える問題みたいなのが見えてくる。
全体として盛り上がりに欠け、淡々と進んでいく印象なので派手な警察物を期待していると面白くないかも。勧善懲悪でもなく後味もあまり良い映画じゃない。人物描写に優れた映画。
これと言って際立った見どころがないけど、アメリカの警察物が好きな人なら要チェック作品。
ネタバレあり感想
原題は「Brooklyn's Finest」で、意味は「ブルックリンの警官(達)」。邦題は三人のお話が交差するという意味だろう。でもそんなに交差しないよね?クソ邦題だと思う。
警察官が三者三様で、なおかつリアルなダメさを抱えていて良かった。サルは…本当にダメな奴だし警察やめて他の仕事にした方が良いと思うけど、悪い奴ではなく同情してしまう。アメリカは特にお金がないと厳しい国だし。
エディ(リチャード・ギア)は本当に残念な人物で、同情というより見ているだけで哀しみに包まれる。
ザ・ボーイ 人形少年の館
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ローレン・コーハン主演!全米スマッシュヒットの新感覚ホラー!グレタは、老夫婦と暮らす6歳の男の子のベビーシッターとして、イギリスの片田舎の豪邸に移り住むのだが、現地で彼女を出迎えたのは少年サイズの人形で、夫婦からこの人形の世話に関する不可解な10のルールを言い渡される。
不気味な人形の世話を依頼された主人公が、お屋敷の中で不思議な現象を体験し……といった感じのオカルトホラー。
割りと初っ端から不気味な雰囲気であるものの、話の進展は遅く感じられる。それでもちょくちょく不思議現象が起こってくるので、そこまで飽きない。ラストの方ではキチンと緊迫したお話になって少し面白い。
顛末含めありがちなホラー映画といった感じなんだけど、割りとよくできていると思う。ホラー映画ジャンルが全体的に好きな人におすすめ。
日本のトレイラームービーなどがネタバレしようとしてくるので、事前情報は仕入れずに見ることをおすすめする。
ネタバレあり感想
原題は「THE BOY」で、邦題は内容をちょっと説明として加えたという感じだろうか。
日本語のあらすじでは主人公は「ベビーシッター」となっているけど、英語では「nanny」となっている。ベビーシッターは幼児の世話も含まれるが、ナニーは幼児~少年期に子供の面倒をみる職業で、メリー・ポピンズと同業。
怪奇現象が実は壁の裏に潜む人物の仕業でした、というのは他でも何度か見た展開なので、意外性より「あっ、このパターンなんだ」と思ってしまった。しかも途中でなんとなく分ってしまう。それまでオカルト的な怖さを醸し出していたので、人間が犯人と分かると逆に怖くない。
ラストのどんでん返しとしてブラームスが登場したせいで、今ひとつ背景事情がハッキリしない。少女を殺したブラームスを警察から隠すため死んだことにして、屋敷の壁の中にずっと入れていた……という事だろうか。壁の裏で暇なブラームスは筋トレに励み、ムキムキマッチョマンとなって手がつけられなくなっていたのだろう。
ラストの方でブラームスの隠れ家が出てくるが、アクセサリー作りや剥製作りなど趣味が多彩なようだ。冷蔵庫や電子レンジもあり生活感がある。壁に卵の緩衝材をくっつけてあるのは防音なんだろうか。
ブラームスの正体が分かると、それまで老夫婦が言っていた事の意味が違って見えて、おかしな決まりごとの意味がわかる、という仕組みになっている。
子守のルール10個考
- ①No Guests
- ブラームスの事がバレると困るから
- ②Never Leave Brahms Alone
- 人形から離れると本物が出てくるからか?
- ③Save Meels In Freezer
- ブラームスが取り出して食べるためか?
- ④Never Clover Brahms Face
- よく分からない。
- ⑤Read a Bedtime Story
- 寝かしつけないと出てくるからか?
- ⑥Play Music Loud
- 壁の中に居るので大きな音量で音楽をかけないと聞こえない。詩の朗読を大きな声でさせるのも同様の理由と思われる。
- ⑦Clean the Traps
- ネズミは壁の裏に入るので、本物のブラームスが恐れたり暴れたりするからか?
- ⑧Only Malcolm Brings Deliveries
- マルコムは屋敷のルール等に慣れているからか?
- ⑨Brahms is Never to Leave
- よく分からない。
- ⑩Kiss Goodnight
- よく分からないがブラームスの隠し通路内にも貼ってあるし大事なんだろうか。
不思議なことに日本語の解説にある10のルールは一部が違っている。
⑤⑧⑨がなくて代わりに以下の項目がある。
- 毎朝7時に起こすこと
- 平日は3時間勉強を教えること
- 必ず少年に食事を与えること
オカルト的な怖さは最後に打ち消されてしまったし、怪人的な怖さとしても微妙なんだけど「粗暴な引きこもり息子に耐えられず老夫婦が自殺する」という事情を冷静に考えると、リアルな怖さが見えてくる。映画内ではあまりその辺りが描かれていないのが残念。
ひきこもりの子供に対して、直接話しかけるのではなく、人形を介して間接的に話しかけるというのは手法としてはアリな気がする。
ブラッディ・ホワイト 白の襲撃者たち
ネタバレなし感想
爆破事件で現場へ向かった刑事が負傷し運び込まれた病院。そこは、数々の謎が隠された凶悪な犯罪者たちの巣窟だった...!注射の代わりに銃弾を!!何者かに操られ凶暴化した魅惑のナースが、銃を手に悪魔の裁きを下していく!刑事との激しい対決を描く壮絶バトル・ガン・アクション!!
病院で不思議で怖い事が色々と起こる2015年のホラー映画。パケ絵・煽り文句・あらすじ全て配給会社の詐欺なので注意が必要。
タイトル、パケ絵、煽り文句から「オカルトナースが銃ぶっ放すバカ映画だな多分」と思って見たんだけど、全くそういう感じではない真面目なホラー映画だった。配給会社はこういう事故を故意に引き起こすのやめてもらいたい。
爆弾テロとキリスト教を中心に、不思議な事が色々と起こっていく感じ。全体的に緊迫感がありつつも、ミステリーとしても割りとちゃんと出来ていて面白い。展開が早いのに謎も多く、時間が長く感じられる映画だった。
あまり説明するとネタバレになってしまうので細かくは言えないものの、真面目なホラーなのでホラー映画好きにはおすすめしたいかな。キリスト教系の映画なので、日本人が見ると微妙かも。
アクションといえば確かにアクションは多いんだけど、アクション映画というわけではない。サスペンス、ミステリー。
ネタバレあり感想
原題は「Convergence」で、意味は「収束、収斂、一箇所に集める事」らしい。よくわからないが邦題はパケ絵と煽り文句あわせて「わざと誤解させようとしている」としか思えない。クソ配給会社案件。何故そういう売り方ばかりするんだ……出来が悪い作品でもないし、普通に売ればよかったのでは。
主人公がもう死んでる、というのはかなり早い段階で予測がついた。それでいて「どういう事なんだろう」という気持ちで後半まで見られた。まさか16年も経過した現代と繋がっているとは。
途中で出てくる黒い影は、悪霊かはたまた消えかけている霊か……とおもったら、まさかの「生きた人間」だった。
しかし、ダニエルは何であんな事が出来るのかみたいな部分が良く分からなかった。